テクニカル分析レポート:主要株価指数の「第3波」継続と、ビットコインに顕現する「修正波C」の予兆 #エリオット波動 #サイクル分析
相場は材料ではなく波形に従う
市場ではテック株の好調やビットコインの下落再開といったニュースが話題となっていますが、我々テクニカル分析官にとって重要なのは、価格が織りなす「波形」と「日柄」です。本レポートでは、感情やファンダメンタルズを排除し、チャート上のサインのみを淡々と読み解きます。
主要株価指数(S&P 500/NASDAQ)の波動分析
主要株価指数は、明確な上昇トレンドの軌道を堅持しています。特に長期波動で見ると、2023年後半から続くこの勢いは、エリオット波動理論における「第3波」が延長している可能性が高いと見られます。
第3波は最も勢いがあり、しばしば延長する特性を持ちます。直近の小さな調整局面(おそらく短期の第4波)からの再上昇は、この第3波の延長が継続していることを示唆しています。チャートパターンとしては、明確なブレイクアウト後に高値圏での推移が続いており、短期的な押し目買いが優勢な状況です。主要なフィボナッチ拡張水準(例:1.618倍や2.0倍)が次の上値目標として機能する可能性があると分析されます。
ただし、日柄の観点からは、直近の上昇サイクルが比較的長く続いているため、いつ短期的な過熱感が解消されるための調整が入ってもおかしくない局面に差し掛かっている点には留意が必要です。調整が入った場合でも、直近の支持線を維持できれば、トレンドは継続すると見られます。
ビットコイン(BTC)の下落再開と修正波の確認
一方、ビットコイン市場は異なるフェーズに移行した可能性があります。直近の高値を形成した動きがエリオット波動の「第5波」終点であったと仮定するならば、現在は必然的な修正局面(A-B-C)に突入したと捉えることができます。
短期的な反発(B波)の勢いが弱く、重要なサポートラインを明確に割り込んでいます。これは修正波における「C波」が進行中である可能性を示唆しており、C波は通常、A波と同等か、それ以上の値幅を持つことが多いです。チャートパターンで見ると、短期的なダブルトップを形成し、ネックライン割れから下落が加速した形跡が見られます。
今後の焦点は、どこでこのC波が終焉を迎えるか、すなわち次の主要なサイクルのボトムがどこになるかです。C波の終点は、前回の推進波(第1波や第4波)の安値水準付近がターゲットとなる可能性があると分析されます。
結論
現在の市場構造は、株価指数と暗号資産で明確に異なっています。株価指数は推進波の勢いを継続させている一方、ビットコインは修正波の圧力下にあります。相場の流れを判断する際は、個別のチャートの波形を忠実に追い、サポートライン・レジスタンスラインの攻防を注視することが肝要です。

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