WTI原油:$56攻防戦が示す波動構造、日柄調整完了後の次なるターゲット #エリオット波動 #テクニカル分析
WTI原油:$56のサポート攻防と日柄調整の完了
本日の原油価格はWTIが$56近辺、ブレントが$60近辺で推移しています。報道では地政学的な材料や需給懸念が取り沙汰されていますが、我々テクニカル分析官は、あくまでチャートが語る構造に耳を傾けます。ファンダメンタルズ情報は、テクニカル分析によって示された方向性を補強するものであり、主役ではありません。
まず、WTIの週足チャートを確認すると、$60付近をレジスタンスとする下降トレンドラインと、直近の安値から形成されたサポートライン$55〜$56が交錯する、重要な位置にいます。これは短期的な「対称トライアングル(三角持ち合い)」を形成している兆候と見られます。この持ち合いは、相場のエネルギーを蓄積する日柄調整局面であり、いずれ上下どちらかにブレイクする際の勢いを担保する形であると分析されます。
エリオット波動分析:現在はどの位置にいるか?
直近の上昇($50台前半からの戻り)をA波と仮定した場合、現在の$56付近での揉み合いは調整のB波、あるいは複合調整のX波の途上にある可能性が高いです。重要なのは、このB波(調整)がフラット型やトライアングル型で時間を費やし、次なる推進波(C波)への準備を整えているかどうかです。
もし、現行のレンジ下限である$55を明確に割り込んだ場合、これは下降トレンドにおける推進波(恐らく第3波の延長、または大きなC波)が再開したことを示唆します。その場合、フィボナッチ・リトレースメントの観点から、次のターゲットは$50、さらには$48付近が視野に入ってくると分析されます。
サイクルの周期と日柄の重要性
直近の天井($60台後半)から現在に至るまでの下落サイクルを観察すると、約40〜45日での調整が散見されます。現在、$56付近で横ばいの動きが継続しており、直前の下落が始まってから一定の日数が経過しています。これは、価格帯の調整ではなく、時間(日柄)による調整が完了に近づいていることを示唆します。
テクニカルな観点からは、この日柄調整が完了する12月下旬から1月上旬にかけて、明確な方向性が定まる可能性が高いと見られます。上方にブレイクした場合($58超え)は、下降トレンドラインの上限に挑戦する動き、下方ブレイク($55割れ)の場合は、新たな下落サイクルの開始を警戒すべきでしょう。

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