金(ゴールド)のラリー継続の裏側:VIXとオプション建玉が示す大口投資家の「真の意図」 #需給解析 #金相場 #機関投資家
金価格高騰の背景を需給のプロが読み解く
先日、UBSが金の需要が高く、そのラリーは継続する可能性があるというレポートを発表しました。市場はこれを素直に受け止めているようですが、我々需給を解析するプロの視点からは、この強気の動きの裏側には、一般の報道では捉えられない大口投資家や機関投資家の「仕掛け」が見え隠れしています。
UBSのレポートは表面、本質は「恐怖なき安全資産買い」
通常、金(ゴールド)は「恐怖指数」と呼ばれるVIXが急騰するなど、市場がリスクオフに傾いた際に買われる安全資産です。しかし、現在の市場環境はどうでしょうか。VIXは比較的低位で安定しており、短期的なパニック売りが起きている状況ではありません。
このVIXとの奇妙な乖離こそがポイントです。これは、短期的な投機筋のリスク回避フローではなく、中央銀行やソブリンファンドといった超長期の資金が、地政学的なリスクや、米ドルの信認に対するヘッジとして、戦略的に金を購入している可能性が高いことを示唆しています。
COMEXの建玉に見る投機筋のポジショニング
我々は、シカゴ・マーカンタイル取引所(COMEX)における金先物の建玉(オープン・インタレスト)を注視しています。特にCFTC(米商品先物取引委員会)の週間報告書によれば、最近、投機筋(Non-Commercial)のネットロングポジションが急速に積み上がっている傾向が見られます。
これは、金価格の上昇を短期的に利用しようとするヘッジファンド勢が、既に強気ポジションを構築し、相場を押し上げている主要因の一つと見られます。彼らがこれほどの確信を持ってロングを積んでいるということは、単なる話題性ではなく、何らかの需給上の強い裏付け(例えば、現物ETFへの継続的な資金流入や、中央銀行の断続的な買い)を嗅ぎつけている証拠と分析できます。
オプション市場の仕掛け:大口のコール・ロング戦略
さらに需給の裏側、オプション市場を覗いてみましょう。金関連のオプション取引において、特定のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のコールオプションの建玉が異常に増加している場合、これは大口投資家が将来的な大幅な価格上昇に賭けていることを示します。彼らは、小さなプレミアムで大きな利益を得るために、遠い権利行使価格のコールを買い集める戦略を実行している可能性があるのです。
これらのオプション建玉の動向は、市場の勢いが単なる現物需要ではなく、投機的な資金による「踏み上げ」の燃料となり得ることを示唆しています。
結論:強気トレンド継続の可能性
UBSのレポートが示す需要の強さに加え、需給解析の結果から、機関投資家や投機筋が積極的に金の上昇に賭けるポジションを構築していることが確認されます。短期的な調整局面はあり得ますが、大口のポジショニングやオプション市場の仕掛けを見る限り、この強気トレンドはしばらく継続する可能性があると見られます。ただし、これらの大口ポジションが一斉に手仕舞いに入った場合は、急激な調整が発生するリスクも念頭に置く必要があるでしょう。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
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