先進国市場の熱狂を超えて:次の覇権国を探る【#エマージング #インド #東南アジア】
先進国市場の熱狂と、その先にあるもの
年末のグローバル市場は、米国株の堅調さによって楽観ムードに包まれています。S&P 500が7,000に迫る勢いを見せる中、FRB議事録は今後の金融政策の方向性を巡る議論の火種となり、市場参加者は一挙手一投足に注目しています。
特に注目すべきは、原油価格の下落と、対照的な金属価格の記録的な高騰です。原油安は先進国のインフレ抑制に寄与する一方で、金属価格の高騰は、グローバルなインフラ需要、特に新興国における工業化の加速や、世界的な脱炭素への移行に必要な資源需要の強さを示唆していると見られます。
先進国サイクルの減速と「人口の力」
先進国、特にG7諸国は、構造的な高齢化と生産年齢人口の減少という問題に直面しており、経済成長サイクルは次第に減速していく可能性が指摘されています。短期的には金融政策や技術革新が株価を押し上げるものの、長期的な潜在成長力には限界が見え始めています。
一方で、私が専門とする新興国市場、特にアジア地域はその対極に位置しています。インドは世界最大の人口を持ち、今後数十年にわたり「デモグラフィック・ボーナス」(生産年齢人口比率の増加)を享受すると見られます。同様に、インドネシア、ベトナム、フィリピンといったASEAN諸国も若く、ダイナミックな労働力と、旺盛な内需を原動力としています。
資金の流れの変化:新興国への再注目
FRBが利上げサイクルを終え、金融引き締めが緩和に向かう場合、ドル高圧力が弱まり、リスクオンの資金が新興国市場へと戻ってくる可能性が高まります。
先進国市場が短期的なバリュエーションの修正リスクを抱える中で、新興国市場は、内需拡大、政府によるインフラ投資、そしてグローバルサプライチェーンの多様化という構造的な追い風を受けている状況です。
もちろん、新興国市場には地政学的リスクや政治的リスクも存在しますが、その潜在的な成長力は、先進国サイクルの鈍化と対比させた場合、非常に魅力的であると判断されます。長期的な視点に立ち、次の覇権国候補をポートフォリオに組み入れる好機であると考えることができます。

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